オープニング当日、「ミハイロフスキー劇場」と正面に書かれた建物は、クリーム色の化粧もあざやかに私たちを迎えてくれました。大公ミハイルの名を冠した発祥時の劇場名を、復活させたのです。劇場のなかはまた目を見張る美しさ。従来の色調とデザインをほとんど変えることなく、オレンジ色の緞帳を新調し、壁の装飾をプラチナ・ブロンドに塗り変えました。サーモンがかったオレンジ色の座席もふかふかとすわり心地よく、大きくなっていました。でももっとも大事なのはおそらく、音響設計士の豊田泰久氏によるオーケストラ・ピットその他の改修でしょう。わずか4ヶ月半で成されたこれらすべての改修工事には、ケーフマン氏が多額の私財を投じたと言われています。
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