コラム

イーゴリ・コルプ インタビュー

僕だけの、オリジナルなバジルを!
イーゴリ・コルプ写真

あなたがデビューされたころは、優雅でノーブルな踊り手という印象が強かったですが、最近はとてもオリジナルで個性的な作品に挑戦していらっしゃいますね。
――ダンサーの限られた時間のなかで、できるだけいろいろな作品を踊ってみたいのです。僕にサン=サーンスの『白鳥』を振付けたポクリタールが、キエフで新作を発表したので見てくるつもりですし、いま興味を持っている中国の振付家もいます。フォーサイスをとても踊りたかった時期もありましたが、レパートリーに入って何度も踊っているいまは、以前ほど情熱を感じなくなりました。もっと別のものに挑戦してみたいです。

『マラキ』(ルジマトフのすべて2007)

今回の来日公演でレニングラード国立バレエと3演目を共演される予定ですが、とくに『ドン・キホーテ』は初めて踊られるんですね。どんな役作りをしていらっしゃいますか。
――いま毎日練習しています(笑)。手当たり次第パートナーを見つけて組んでもらっていますが、いないときは一人の部分を練習しています。幸いまだ時間があるので、踊ってはまた気分を入れ替えて作り直してみたり。デニス(マトヴィエンコ)は『ドン・キホーテ』のために生まれたみたいですね。100パーセント、バジルだと思います。でも僕とはまったく個性がちがう。僕がやったら正反対のバジルになるかもしれない(笑)。でもそれぞれちがうほうがおもしろいでしょう。

『海賊』イリーナ・ベレンと(ルジマトフのすべて2007)

今回パートナーを組まれるシェスタコワ(『白鳥の湖』『バヤデルカ』)、ペレン(『白鳥の湖』『ドン・キホーテ』)にはどんな印象をお持ちですか。
――シェスタコワとは踊ったことはないけれど、12年前、ワガーノワ・コンクールに出たとき、彼女もいたのでよく覚えています。僕はミンスクから、彼女はノヴォシビルスクから参加したのです。二人ともペテルブルグに残ったわけですから、不思議な縁ですね。ペレンとは夏の来日公演で『海賊』のパ・ド・ドゥを踊って、とても気に入っています。責任感があって、いっしょに作っていく気持を持った人ですね。
アーティストとしてのルジマートフについてどう思われますか。
――特別なダンサーだと思います。踊る機会が少なくなってくることは残念です。肉体的には困難になってくるとしても、あれだけ豊かな内容があるのですから、振付家が彼のオリジナリティを汲み上げて、現代作品やドラマティックなものを作ることできると思います。いずれにしろ、第2のルジマートフはありえません。唯一無二のダンサーですね。


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