コラム

オクサーナ・シェスタコワ インタビュー

僕だけの、オリジナルなバジルを!

レニングラード国立バレエ2007-2008の冬公演で、『白鳥の湖』『バヤデルカ』などの全幕バレエに主演し、その実力と高いテクニック、演技力を示したシェスタコワ。ますます人気が高まる彼女が、近況と夏の公演に向けての抱負を語ってくれました。

オクサーナ・シェスタコワ&ドミトリー・シャドルーヒン

2008年1月のレニングラード国立バレエ日本公演では、マリインスキー劇場バレエのイーゴリ・コルプと初めて共演し、『白鳥の湖』や『バヤデルカ』を踊られましたね。
――イーゴリは素晴らしいダンサーです。エモーショナルで、お互いを感じあいながら踊ることが出来ました。ぜひ、また共演したいですね。踊りたい演目?『ドン・キホーテ』です!
そういえば、2007年秋には、初めて『ドン・キホーテ』全幕に主演されました。
――古典全幕作品はほとんど主演しましたが、『ドン・キホーテ』のキトリ役は踊ったことがありませんでした。念願叶って嬉しかった!バジル役はミーシャ(シヴァコフ)です。出来栄えですか?初めて踊ったので自分ではわかりません。皆さん、『良かったよ』と言って下さいましたが(笑)。

カーテンコールにこたえるシェスタコワとコルプ(「バヤデルカ」2008年1月11日東京文化会館)

シェスタコワさんのレパートリーはオデット/オディール(『白鳥の湖』)、キトリ、ジゼルなどとても幅広いですね。それぞれどのように役作りをされているんですか?
――準備には時間をかけます。リハーサルを重ねて、動きだけでなく、役の心情も考えます。
たとえば、『バヤデルカ』だとヒロイン、ニキヤ役を踊った翌日、同じ作品の敵役、ガムザッティを踊られたりすることもありますね。
――全幕を踊ると、1,2日は、その役が抜けきれず、役のイメージがつきまとうこともあるんです。ですから、翌日に敵役を演じるというのは、なかなか大変なことです。でも、プロのダンサーはそれをしなければならないんです。
夏の「華麗なるクラシックバレエ・ハイライト」では、一回の公演で様々な役を演じられますね。
――はい。(隣にいた彼女の夫のシャドルーヒンが「すばやく自分のイメージを変えることができるというのは、とても貴重な才能なんですよ」と力説。シェスタコワは微笑んでそれを聞く)

「ライモンダ」シェスタコワ&シャドルーヒン

2007年には、その才能と活躍が認められロシア功労芸術家称号を与えられましたね。
――とても光栄なこと。と同時に、大きな責任を感じ、称号の重さをかみ締めています。
最後に、日本の観客の皆さんへ一言メッセージをお願いします。
――外国人アーティストは全員感じていると思いますが、日本の観客の皆さんは、とても見識が高く、芸術を理解してくださっています。だから日本で踊るのはとても心地良い。私が舞台で踊るのを支えてくださっているのは皆さんです。たとえば、2008年1月、コルプと踊った『バヤデルカ』のときは、東京文化会館の観客の皆さんの熱い気持ちが私にも伝わってきました。「ありえない」ほど、大きなパワーを皆さんからいただくことができたのです。そのようなときは、おそらく、皆さんにも満足していただける踊りをお見せできるのではないかしら・・・。劇場に足を運んでください。そして客席で、舞台上の私たちと「共感」していただきたいと思います。



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