演目を知る

チャイコフスキー3大バレエ
その他全幕バレエ

ジゼル

ロマンティックバレエの最高傑作 上演時間:約2時間 【第1幕約50分(休憩20分)第2幕約45分】

あらすじ
村娘のジゼルは、村の青年に恋をしている。青年もジゼルに愛を誓い、農民たちはそんな彼らを見守っている。ジゼルの住む村に、狩に出かけたクーランド公一行が立ち寄る。ジゼルはクーランドの娘バチルドの美しさに引かれる。バチルドもまたジゼルの愛らしさに目を留め、恋人はいるのかと尋ねる。いると答えるジゼル。だが、ジゼルが恋する青年は、じつは貴族アルベルトだった。その正体は、やがて、ジゼルに片思いをしている森番ハンスによって暴かれる。しかもアルベルトは、バチルドの婚約者だった。全てを知ったジゼルは狂乱し、そのまま息絶える。 悲しみ、後悔するアルベルトは、森の中のジゼルの墓にやってくる。森番ハンスも森の中にやってくるが、ウィリーに取り囲まれ、踊り狂わされて死んでしまう。ウィリーとは結婚を待たずに死んだ若い乙女たちの精霊。森に住む彼女たちは、通りかかる旅人たちを踊り狂わせて死に至らしめる。ウィリーの女王ミルタは、アルベルトをも取り囲み、命を奪おうとするが、ウィリーとなったジゼルが彼を守る。やがて夜明けの鐘が鳴り、ウィリーのジゼルたちは消え、救われたアルベルトだけがそこに残される。

レニングラード国立バレエの「ジゼル」のここが見どころ

ニキータ・ドルグーシン写真

Point01 最新の「古典」

ルジマトフが芸術監督に就任した2007年11月3日に初演されたのがこの「ジゼル」。ジャン・コラーリ、ジュール・ペロー演出の原典版(1841年初演)にプティパが息を吹き込んだ(1884年初演)、その演出を元に、ニキータ・ドルグーシンが演出した。ドルグーシンは、ナタリア・マカロワのパートナーとしても知られた往年のダンサー。コンセルバトワールのバレエ団芸術監督もつとめていて、振付家でもある。ルジマトフの信頼厚く、彼は芸術監督就任後、すぐにドルグーシンを指導者としてレニングラード国立バレエに招いている。ドルグーシンの演出は、プティパ版に忠実。アダンの音楽も、より大切にされている。ロマンティックな名作として、長く踊り続けられることだろう。
※日本公演では舞台装置・衣裳は従来のものでの上演となります。

Point02 ウィリーたち

レニングラード国立バレエの現地プログラムには、この作品のタイトルとして「ジゼル、そしてウィリーたち」とある。つまりこの作品は、ウィリーたちも主役なのである。ウィリーとは、結婚前に亡くなった娘たちの精霊。白いロマンティック・チュチュを身にまとい、宙に浮かぶように森をさまよう。そんなウィリーたちが舞台に整然と現れ、一斉に踊るシーンは圧巻だ。定評あるレニングラード国立バレエのコール・ド(群舞)は、乙女たちの無垢な美しさと、精霊の妖しさを醸し出し、「ウィリー」という存在を納得させてくれる。

舞台の写真 舞台の写真

Point03 ジゼルを踊るプリマたち

古典バレエのヒロインは様々だが、バレリーナのなかで最も人気のある役は、おそらくジゼルだろう。
新人バレリーナは、いつかジゼルを踊りたいと夢を見る。また「ジゼル」を最後に引退するケースも多い。テクニックだけではなく、精神性も求められるこのヒロインは、バレリーナにとって、難しく、厳かで、追求してもし尽くせない魅力あふれる役なのだろう。
レニングラード国立バレエのプリマたちにとっても、この役は特別であり、それぞれに素晴らしい名演を見せてくれている。共演したルジマトフの涙をも誘ったというシェスタコワ、悲劇のなかで、その華やかな美貌が哀れを誘うペレン、この作品で主役デビューを飾ったロマチェンコワら、いずれもその個性をジゼルという役のなかで輝かせている。

シェスタコワ写真 ペレン写真 ロマチェンコワ写真  
一覧に戻る

当サイト内の画像・文章等の無断転用・複製を禁じます。

KORANSHA エイブルCHINTAIホールディングス 光藍社

All Rights Reserved, Copyright (c) 2007 KORANSHA INC. No republication without written permission.